以前も高木浩光氏の記事(「DPI行動ターゲティング広告の実施に対するパブリックコメント提出意見」)をみつけたりして、2年前に、備忘録「DPI技術を活用した行動ターゲティング広告」(2010年6月4日)にしていたが、忘れていた・・・
少し整理して、いくつかウェブ上の情報を追加してみた。
1.総務省の報道発表(平成22年5月26日)
●総務省「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言」(平成22年5月)
・提言のPDF
この提言54頁以下(違法性阻却は57頁以下)に詳細が記されています。
※赤字と下線は私が付しました。「6.ディープ・パケット・インスペクション技術(DPI 技術:Deep Packet Inspection)を活用した行動ターゲティング広告について」
(中略)
④違法性阻却が認められるか
電気通信事業者による通信の秘密の侵害行為が正当業務行為となる場合については、実務上の運用事例を通じて一定の考え方が整理されてきている。これまでに正当業務行為が認められた事例は、ア.通信事業者が課金・料金請求目的で顧客の通信履歴を利用する行為、イ.ISP がルータで通信のヘッダ情報を用いて経路を制御する行為等の通信事業を維持・継続する上で必要な行為に加え、ウ.ネットワークの安定的運用に必要な措置であって、目的の正当性や行為の必要性、手段の相当性から相当と認められる行為(大量通信に対する帯域制御等)といったものが挙げられる。こうした事例の根底にある基本的な考え方は、国民全体が共有する社会インフラとしての通信サービスの特質を踏まえ、利用者である国民全体にとっての電気通信役務の円滑な提供という見地から正当・必要と考えられる措置を正当業務行為として認めるものである。
こうした基本的な考え方に立って検討すると、ISP による DPI 技術を活用した行動ターゲティング広告の実施は、パフォーマンスの高い広告を配信することや、そのために利用者の嗜好を把握することを目的としており、ISP による電気通信役務(電気通信設備を用いて利用者をインターネットに接続させる役務)にとって、必ずしも正当・必要なものとは言い難く、正当業務行為とみることは困難である。
2.夏井高人先生のブログ
「世界ではディープパケットインスペクション(DPI)が日常的に実施されている」
この夏井先生の指摘は留意しておきたいと思った。例えば,通信会社AがDPIを実施しているとして,その通信会社Aが通信当事者となっている通信もまたどこかの通信会社Xが実施しているDPIで完全解析されている可能性が高いことから,自分だけが例外的に傍受されていないということは基本的にあり得ないことになるだろう。
よく考えてみると、全くそのとおりではないかと思う。
3.山根義則弁護士の記事
「DPI技術による行動ターゲティング広告」
●山根義則弁護士
「帯域制御(通信データの取扱い)」
ディープパケットインスペクション(DPI)による帯域制御のことが書かれている。
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